写真とふたこと

たまにみこと

大関ヶ原展

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今か今かと開催を待ち侘びていた関ヶ原展。
早速行ったら開館間も無い時間から凄い人出。「ここが関ヶ原か?!」位に。2日で入場者数が1万人だそうで。
 
まず、ネットで人出に関する情報を余り見掛けないので、開催2日目現在の情報を。
チケット売り場からして列が出来ているので、予めネットでチケット購入出来る方はご用意を。

http://sekigahara2015.com/#ticket

チケットを持っていれば会場にて直ぐに入場口に向かう事が可能。(それでも人手によっては入場制限が考えられます)
会場内、展示物に対して列を作る方も居れば遠巻きから眺めるスタンスの方も。列を作る場合は中々前に進まないし順番を変えて観る方が空いた所に戻られたりする状態なので御覚悟を。視力と身長に自信がお有りならば遠巻きから観覧するのもアリかも。順番違いで空いてる所から観る方は他の方への配慮がより必要かも。
貴重な書状類、縦書きなので出来るなら右から読みたい所、進行方向左側に陳列せざるを得ないパターンが散見され、そこで人々の進行方向と書状を観る視線が逆になる為余計に滞留が起こりやすくなっている模様。しかしこれはどう仕様もないよなぁ。
 
さて、展示品について。
今回の関ヶ原展、東京・京都・福岡で順番に開催されるのだが、それぞれで展示が違うらしく、それだけでなく同じ会場でも日によって展示物が異なる。それぞれの都市で、複数回通って初めて全資料がコンプリート出来るというなんとも歯痒い設定なのである。何故そうなったかと言うと、国宝など貴重な資料を全国各地から集めるため全点を一斉に同時期に展示するのは難しいらしい。なるほど。コンプリートを狙っている方、東軍西軍で観たい資料にお好みが分かれる方はこれまた公式サイトで出展品一覧と展示時期を確認されたし。
一先ず、開催間もない現在の個人的目玉は、本多忠勝の『蜻蛉切』である。その切れ味を表して蜻蛉が刃先に止まっただけなのに真っ二つになったと言われる、戦国ファンは一度はお目に掛かりたい業物である。大関ヶ原展では鏡を使い少し角度を付けて展示さてれおり、前後左右360度観れるようにしてあった。イメージではゴツイものを想像していたが、実際は繊細で冷たい雰囲気。振り回して刀や槍を合わせたり人を貫く内、ポキっと行ってしまいそうなものであった。幾多の戦いを潜り抜ける度にゴツイ刃先が研がれて行ったのか、それとも、実際に振り回すよりも「あの本多忠勝が持っていた」ことに意味が有るのか、一見した限りでは戦いのイメージとはすぐには繋がらない風情だった。
観たいのにタイミングが合わず現在は展示待ちとなっているのは、直江兼続による『直江状』。これも是非観ておきたい。昔の字全部読めるわけじゃないけど!(笑)
 
徳川家康没後400年の節目で開催されていて、しかも東京会場とあって、少し東軍寄りの展示内容だったかと思う。それでも大谷吉継の短刀や、豊臣秀吉の辞世の句等「え?!それホンモノが残ってたんか!」な逸品は早速展示中。刀剣や甲冑の展示に息を飲むのは勿論、関ヶ原前後の武将同士の書状のやりとりを観れるのは本当に貴重。血判状に何の意味が有るのか?!と裏切り者にこっそり憤ったり、しかし血縁ナンボのモンじゃなのだから血判なんてどうとでもなるよななんて自分で突っ込んでみたり。
会期後半はもう少し西軍色が強まるのかな?京都会場は西軍が、福岡会場は黒田家が中心になるのかもしれない。
 
歴史好きとして、会場を後にしながら考えたのは、趣味で好き好きで観たり読んだりするものなのだから硬いことは言わないで良いのだろうけど、特定の時代・特定の人物・特定の物にハマって行くのは入り口であって、本当はそこから縦横に歴史を見て行かないといけないよなぁと。関ヶ原だとまずは戦いそのものが名場面だったり、東西の視点が有ったり、鳥居元忠と家康の別れとか大谷吉継と三成の友情とか島津家の敵中突破とかポイントは沢山有るんだけど、戦場では名もなき人が何万人も死んでてそれを片付ける人が居たりした訳で、ポイントで熱くなり過ぎていつもそこばっか人にまくし立ててるのは少し怖い気にもなったりする。今大河ドラマで視聴率がどうとかって言われてるみたいだけど、そりゃ吉田松陰が処刑されるとか禁門の変とか薩長同盟とかの頃が面白いだろうなとは思うと同時に、そこに関わる人がそこに行き着くまで見るから「大河」ドラマなんだよねとも思う。足利義昭って悪知恵は働くけど優秀ではなかったんだろう、けど足利幕府がなけりゃ関ヶ原が有ったのかどうかもわからない。
私の場合、歳喰ってようやく西軍の人々に興味が行き始めた位だから、そんなに偉そうなことは言えないんだけども。